たまりば

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バーにあまりきたことがない

バーで飲んでいる女性

平原れいは、今夜、以前の職場の先輩である前川咲子に誘われて、とあるバーで飲んでいた。そのバーは、ビルの地下2階にある、カウンターだけの小さなお店だった。
さっきまで、イタリアンの陽気なお店でご飯を食べていたので、ガラッと雰囲気が変わる。
「れいちゃんのきれいなブルー・アイが引き立つ照明だといいんだけど」
咲子は、行き慣れているバーは、バーらしく、照明が薄暗いそうだ。
が、入って奥の席につくと、そこにアンティークのランプがあり、ぽうっと明るくれいの顔が映し出された。
バーのお兄さんは静かにコースターを持ってくる。
「咲ちゃんはいつものでいい?」
咲子はいつも最初にベルギービールを頼むらしく、うなずく。そして、れいを紹介する。
「こちらは平原れいちゃん。1年前まで同じ会社にいた後輩なんだ。れいちゃん、バーテンダーのカイちゃん。よろしくね」
カイと紹介された青年は、咲子と同じくらいの年だろうか、大きな体にやさしいオーラをもつ人だった。
「平原れいです、初めまして」
れいは、あまりバーにきたことがなく、何を注文していいのかわからない。
これといったメニューもないまま、迷っていると、咲子が笑った。
「メニューがないバーなのよ。で、カイちゃんは、その人をイメージしたドリンクを作ってくれるの。もちろん、自分で注文もできるし、かなり自由なお店なの」
咲子にベルギービールを持ってきた、カイが、れいを見つめる。
「きれいなブルー・アイですね」
やはりランプの明かりで、れいの瞳の色がわかったようである。
「特に決まった種類の飲み物がなければ、ベースを指定してもらえば、その時のお客様の
気分にあったものをお出ししますよ」
カイの柔らかい声に、れいはなんだか安心する。
「ラム・ベースで、咲子先輩に再会乾杯、みたいなイメージとかで作れたりする?」
「ばっちりです。任せてください」


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    2015年02月16日 Posted by弘せりえ 2014dec at 12:47 │Comments(0)短編

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