たまりば

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本業はジュエリー・デザイナー

ジュエリー

カイがれいの注文のドリンクを作っている間、咲子が教えてくれた。
「カイちゃんは、もちろん、普通の店においてあるカクテルとかいったもの、何でも作れるんだけど、お客さんのイメージとかインスピレーションでお酒を作るのが楽しみなの。例えば、幸せになりそうな気分のカクテル、とか、初恋の味のソーダ割りとか」
咲子の説明を聞いて、カイが恥ずかしそうに笑う。
「人から自分の説明を聞くと、照れちゃいますね」
れいは、興味深げにカイを見ていう。
「どんな味でも作れちゃうんだ?」
「味というよりも雰囲気かな。だから既成のドリンクを作るより、お客さんをイメージしたり、その時の気分を聞いて、自分なりに想像して作るのが楽しいんです」
「へぇ、芸術家みたい」
カイはうれしそうに、できあがったドリンクを、れいのコースターに載せる。
ラム・ベースのブルーのドリンクで、れいのブルーの瞳を更に美しく引き立ててくれる。咲子と乾杯して飲むと、その甘いやさしさが、咲子との再会の喜びを再確認させてくれた。
「カイさん、天才!」
れいの評価に、カイも、咲子も喜ぶ。
「さっき、れいちゃんが、カイちゃんのこと、芸術家みたいって言ったけど、実はバーテンダーが副業で、本業はジュエリー・デザイナーなんだ」
咲子の言葉に、カイは苦笑する。
「どっちが本業かは、微妙だよ。結局バーの収入で生活して、時間があるときに、デザイナーしてるのが現状だから」
「ジュエリー・デザイナーって、どんなもの作っているんですか?」
れいの興味津々の問いに、カイは、写真集と実物のサンプルをもってきてくれた。
「結婚指輪の注文がメインかな。それも、僕は、その夫婦の両方を知っている常連さんと
かに依頼されることが多くてね、相手を知っているだけにいろいろ悩むんだけど、またそれが楽しいんだ」
カイが見せてくれた写真集には、作成後撮った指輪やネックレスの写真が載っていた。
また、実物も、繊細で大胆で、かなりセンスがよいものだった。


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    2015年02月19日 Posted by弘せりえ 2014dec at 14:05 │Comments(0)短編

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